准教授 鮎川 恵理    WEBサイト


【専門分野】 植物生態学、繁殖生態学


【担当科目】 生命科学、環境生物学、環境とエネルギー、生命環境科学基礎実験、生命環境科学実験Ⅱ、実習Ⅰなど


【研究内容】 植物の侵入・定着過程や分布要因を解明する
植物は、動物のように移動して生育に適した立地を選ぶことはできません。しかし、種子や胞子を飛ばし、生育適地で発芽、成長することにより、新たな立地への侵入・定着を果たしています。また、さまざまな環境では種の分布は異なっており、多様な生育環境が種の多様性を維持しています。本研究室では野外でのフィールド調査、DNA塩基配列解析やDNA多型分析の手法を用いて、植物の移動の様子や植物の分布の環境とのかかわりについて研究しています。

【研究テーマ】
三陸海岸最北部における海岸植生の変化
コケ植物の定着とフェノロジー
遺伝子情報を用いたコケ植物の遠距離散布の解明​​

種差海岸での海崖植生モニタリング。2010年より毎年継続的に同一の調査区の植生をモニタリングしています。津波以外の波浪の影響についても明らかになりつつあります。
海崖植生の調査風景。卒論では実際のフィールドに出て、教員といっしょにデータを取得します。
種差海岸のニッコウキスゲ。八戸市の種差海岸など三陸海岸最北部の海岸では、海岸植物だけでなく、山地の草原や亜高山帯にも生育する種もみられます。
奥入瀬渓流でのコケ植物調査。環境省の採取許可を得て、奥入瀬渓流の蘚苔類フロラ調査を行いました。

【設備機器】 DNAシークエンサー、サーマルサイクラー、人工気象室、温度勾配植物培養装置DNAシークエンサー、サーマルサイクラー、人工気象室、温度勾配植物培養装置


【卒業研究】
2011年大津波が三陸海岸最北部の海岸植生に与えた影響
コケ植物の繁殖の季節変化について
積雪中に含まれる植物の散布体について


【主な研究業績】
鐡慎太朗、吉川正人、鮎川恵理(2017)三陸北部の岩礁海岸に成立する小規模湿地の立地特性と植生 植生学会誌34:65-85
横溝賢、鮎川恵理、岩村満(2016) ワークショップを活用した組織デザインとVIデザイン―NPO法人奥入瀬自然観光資源研究会を事例として― デザイン学研究作品集 No.21 26-31
鮎川恵理、河井大輔、神田啓史 (2015)日本の貴重なコケの森-奥入瀬渓流- 蘚苔類研究11 (5):144-146
鮎川恵理(2016)生態学が語る東日本大震災 第3部17.津波による海崖植物の変化pp.124-128、文一総合出版
吉川正人、鮎川恵理(2014)青森県の海岸植生に対する津波の影響、東日本大震災による津波が海岸植生に及ぼした影響:再生と保全の向けて(pp21-23)、植生学会