55年間にわたる浅所小学校の児童たちの白鳥観察記録、論文として公表するお手伝いをしました!(9月3日:報道情報追加)

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平内町の浅所小学校児童たちが、2010年まで55年間にわたって継続して観察してきた白鳥の個体数や飛来・飛去の時期のデータが令和3年2月に英文学術雑誌「Data in Brief」誌にオンライン掲載されました。

浅所小学校の学区にあたる東和町内会長である三津谷武志さん(平内町白鳥を守る会副会長)が、同小学校の閉校10周年を記念して55年に渡る白鳥観察記録を冊子にまとめて、関係者に配布することを計画しました。この構想に、平内町白鳥を守る会の理事である小形正樹さん(元 平内町教育委員会、現 平内町中央病院)と、平内町からの委託を受けて、渡り鳥がアマモなどの植生に与える影響について学生とともに研究に取り組んでいた本学生命環境科学科の田中が賛同・協力しました。英文学術雑誌に公開されたことにより、平内町において地元の小学生が脈々と引き継いで実施してきた観察の記録を、世界の研究者・行政関係者らの目に触れる状態にすることが出来ました。

長期にわたる貴重な生物個体数の記録であることから、気温・降水量などの環境の変化や、人間が生態系に与える影響、白鳥が周辺の植生に与える影響など様々な観点からの解析が期待される学術的な価値の高い記録(データ)です。地元の方々に、観察記録の価値を再認識していただくきっかけになることも期待されます。
(生命環境科学科 教授 田中義幸)

・当該論文は、以下のリンクからどなたでも無料でご覧になることができます。https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352340921001098?via%3Dihub
著者:Masaki Ogata, Takeshi Mitsuya, Yoshiyuki TANAKA
タイトル:Data on swan arrival, departure, and population size on the Asadokoro tidal flat, Aomori Prefecture, Japan, from 1956 to 2010
巻号:Data in Brief, Volume 35, April 2021, 106825

なお関連する生データもデータベースとしてMendeley dataに公開されています。
https://data.mendeley.com/datasets/g9tcw92bgy/1
著者:Masaki Ogata, Takeshi Mitsuya, Yoshiyuki TANAKA
タイトル:Raw data on swan arrival, departure, and population size on the Asadokoro tidal flat, Aomori Prefecture, Japan, from 1956 to 2010
DOI:10.17632/g9tcw92bgy.1

以下のメディアに取材・掲載いただきました
・朝日小学生新聞(9月3日、1面トップ)
・朝日新聞(7月18日、朝日新聞DIGITAL)・(7月30日、朝刊30面「教育科学」欄)
https://www.asahi.com/articles/ASP7H4K6PP77PLBJ00T.html
・広報ひらない(平内町広報誌) 4月号5ページ目
http://www.town.hiranai.aomori.jp/index.cfm/11,18077,c,html/18077/20210330-145853.pdf
東奥日報(3月31日、朝刊1面、コラム天地人)
https://www.hi-tech.ac.jp/entry/18987

東奥日報(3月28日、朝刊27面)
https://www.hi-tech.ac.jp/entry/18987
・毎日新聞(3月26日、朝刊23面)
https://mainichi.jp/articles/20210326/ddl/k02/040/031000c
・河北新報(3月26日、朝刊24面)
https://kahoku.news/articles/20210325khn000053.html

小学生による観察が実施された浅所海岸 観察記録を確認する小形理事(左)と三津谷副会長
   
Data in Brief 誌に公開された論文