ナノ粒子マルチアナライザーの導入

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 生命環境科学科ではナノ粒子マルチアナライザー(メイワフォーシス(株)製を導入しました。本機はナノ粒子のサイズ、濃度、表面電荷などを測定することができ、化学、生物学、材料科学などの広い分野で利用可能な精密分析機器です。

生命環境科学科微生物工学研究室では、微生物やバイオマスを利用した水系からの金属の回収について研究を行ってきましたが、近年、微生物や柿渋ゲルなどを用いた金回収の研究を行う過程で、溶液中に溶解した金(III)イオンが還元されて固体状の金(0)になることを見出しています。この金の還元において、処理するpHにより生成する金の色や状態が異なることを見出しており、本機の導入前にはその状態の違いが解明できませんでした。

本機の導入により、中性状態で還元を行った場合はナノ粒子である赤紫色のコロイド状の金であり、酸性状態で還元を行った場合は、黄金色の凝集したサイズの大きい金になっていることがわかりました。

産業界ではナノ粒子で、さらにサイズが制御された金の需要が高いことから、本機の導入により生成した金コロイドのサイズの測定やそのサイズの制御にも用いることが期待できます。